「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみる18/もぐもぐ
争わざるを得ない。
しかし、宗教は、それ以前的なことを考える。生きていること、日向ぼっこできること、できないこと、それを奇跡として考える。光があること、影があること、影の中でも私が生きているということ、それは驚くべきことである。日向を見詰める私の目から逃れる、多くのものがある。日向は「それだけがすべて」ではない。宗教はそれに気づかせ、それを受け入れることを容易にしようとする。
敵は疑ってかかる、敵は殺した方が安心だ、これが「戦争」の極限的な命題である。しかしこれは、人間の「脳裡のみにある」仮定に過ぎない。殺す必要のない敵というのもいるからである。仮定は幾らリアリティーを持っていても、現実で
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