生きていることのめぐりを感じる詩集 続 安藤元雄詩集/イダヅカマコト
 

おれが危うく身をひそめる衝立だ
さもなければ
木っ葉のようにそこに打ち上げられるためのプラットフォームだ
いや 彼らの中に立ちまじる骸骨の やぶる帽子のリボンの色が
ともかくもここに緑を置く カドミウム・グリーン


のような描写でふくらんでいる色のイメージと、「骸骨」のような死を思わせる言葉が組み合わさって、動きのある詩になっています。

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安藤さんの詩では、「生き物が生きて、そして死ぬということ、そしてそれがくりかえされること」自体が大きなテーマとなって繰り返されています。

例えば、『カドミウム・グリーン』の中でも
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