カオリへ。/結城 森士
と忠告したのに
どうやら、よく考えてみると
依存していたのは
カオリではなく
俺のほうだったみたいだ
カオリは俺に愛を求めていたが
カオリは俺のことを好きだったのではなく
ヒロの幻影を俺に重ねていただけで
俺はなんだかんだで
カオリと一緒にいたくて
カオリの声が聞きたくて
だから一緒にいたのだ
別れてからようやく分かったのだけど
俺はカオリのことが好きだった
そしてカオリはヒロの事が好きだった
俺はカオリに依存していて
カオリはヒロに依存していて
カオリは
決して俺に依存していたわけではない
なのに
俺は君に、偉そうに言ったんだ
依
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