陰の器/アングラ少女
塊の吸盤にする
多毛の尖った砂の飛礫で錆びついた風車
傍で石を積む跣の少年の肖像に
ちぎった兎の舌を咀嚼しつつぬかりなく調和
と猜疑を嗾ける獣
寡黙な飼主も同時に吟味し採譜の準備をする
他の共犯者は怯み身を固くしたままかかる状況の
意図を汲まない。わたしたちの友と、その獰猛な
器具は、習慣化した冷徹な機動により、わたした
ちの命ずる仕事を首尾よく済ませる。免罪の兎と
跣の少年の陰画が脈うち、外枠を掠めて創造され
たかげの血潮が噴きあがる。搾取の完了とともに
けたたましい放棄の産声、熱帯の死滅した星雲を
娶るわたしたちの垂涎の的。
ついに狂奔する楽士らの行方、
かれ
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