「忘れられる」ものとしての「信頼」−「存在の彼方へ」を読んでみる15(2)/もぐもぐ
れが、私たちが、無条件的な「信頼」という事実に気づかず、条件付の「意思」の結果、即ち「不信」という事実にばかり目を留めてしまう理由である。
(「他者に対する責任が、私の約束のうちで、私の決意のうちで始まったということもありえない。そうではなく、私の自由の手前から、「一切の-思い出-以前」から、「一切の-完成-のあと」から、非現在の最たるものから、起源ならざるものから、起源を欠いたものから、存在することの手前ないし彼方から、私に課せられる果てなき責任は到来するのだ。他者に対する責任とは、主体性という非場所が定位される場所であり、「どこ」という問いの特権が失われる場所である」(p40))
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