カンナ/結城 森士
いた自分を責めるようになった。
次の日も小説は進まなかった。また次の日も。次第に食事も食べなくなり、カーテンを開けて夕陽を見ることも無くなった。
*
(どうしたの(なにがあったの
(話せないことなんてあるの(教えてよ
(心配してるよ(ねえ
(心配しなくてもいいよ(ぼくは友達なんだから
(ぼくは
*
わたしは まどぎわの あかいはなに
あいさつをすることも しなくなり
じかんの かんかくと いしきを
どこかべつのばしょに おきわすれてしまったように
くうはくの ながれのなかに ぽつんと とりのこされ
やがて こんとんとした いしきの だくりゅ
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