カンナ/結城 森士
 
いた自分を責めるようになった。
 次の日も小説は進まなかった。また次の日も。次第に食事も食べなくなり、カーテンを開けて夕陽を見ることも無くなった。



(どうしたの(なにがあったの
(話せないことなんてあるの(教えてよ
(心配してるよ(ねえ
(心配しなくてもいいよ(ぼくは友達なんだから
(ぼくは



 わたしは まどぎわの あかいはなに
 あいさつをすることも しなくなり
 じかんの かんかくと いしきを
 どこかべつのばしょに おきわすれてしまったように
 くうはくの ながれのなかに ぽつんと とりのこされ
 やがて こんとんとした いしきの だくりゅ
[次のページ]
戻る   Point(3)