カンナ/結城 森士
消さなくて良いのですか」「或いは」「水曜日、赤い花を切ってください」「触れてはいけない」「ピンと張ったこの繊細な糸を切ってはいけない」「ところで」「明かりは消さなくて良いのですか」「絶対に触れてはいけない」「或いは」「明かりは消さなくて良いのですか」
(明かりが怖い、…あれは…光ではない
「絶対に触れてはいけない」
ところで
ガランドウの瞳は、少年の声で呟いていた
「月曜日が過ぎ去って久しいのですが」
4.
(ぼくのことだったら(心配しなくてもいい
(きみはきみのことだけ考えていればいい
(きみは誤解している
(ぼくは本当に友達でいたかっただけなんだ
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