カンナ/結城 森士
 
ランドウの瞳は、じっと黙ったあとに、少年の声で言った
「月曜日 が過ぎ去って久しいですね」
 頭髪から爪先にかけての冷えきった痺れを耐え続けて
 どのくらいの時が経ったろうか
「明かりを消してください」
 
 水曜日、シャワーを浴びている
 カレンダーを捲ると、音を立てて破けてしまった
 火曜日、一度考え始めると涙が止まらず
 何度も何度も虚空に頭を下げて謝っている自分の姿を
 遠くから眺めている



(どうしたの(なにがあったの
(心配してるよ(話してごらんよ
(心配しなくてもいいよ(ぼくは友達なんだから
(何があったの(話してごらんよ
(ぼくは友達だから
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