アリゾナのマドンナ/結城 森士
らない。
どうせもてない女の嫉妬に決まっておろう。
ふん、悔しかったら私のようなゴージャスな女になりなさい。
溝口・イライザー・恵子は、なおも唾を飛ばし続ける。
「愚かな女!!フーリッシュ・ウーマン!!まだ気づかないのね!!」
一体なんだというのだ。
ハンサムデビルがいったい何をしたというのだ。
私の名前を呼び間違っただけではないか。
大体この女はいつだってそうだ。
私をライバル視するのは勝手だが、
良いオトコが私の虜になるとすぐに
真空とび膝蹴りやファイナルアタックを容赦なくぶちかます。
いつの間にか溝口・イライザー・恵子は
私と目の
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