夢の/ヨルノテガム
 

(僕以外に十一人いる 二つは一人による分身の術であった)
(僕以外に十人いる  一つは一人の幼少の面影であった)
彼らは饒舌ではなかった
僕は彼らの宣伝部長のように
彼らの良い所を細かく聞き見つめていた 気になったところは
忘れないように

十五人か十人なのか もう沢山いるのだが
僕をひどくチヤホヤしてくれた
僕が眠っているときでも、僕のことを知ってくれているような
噂が回っていたし
昨日の昨日に遊びに行きましょうね と約束は数多く
取りつけられていた
未来にも過去にも僕と遊べる彼らは本当に自由で
僕も彼らのひとりひとりの中には底抜けのよもやま話が
谷深く続いてい
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