あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12/もぐもぐ
 
地点から生をスタートさせているのである。」

これは、幼少期の記憶を「喪失」と捉え、その「喪失されたもの」の「回復」を「目的」として捉える場合の解釈である。この場合、「喪失」は、一種の「死」であって、「死」は既に過去に生じていたものであるということになる。そして、「喪失されたもの」=「死」を再度「手に入れる」こと(「生まれ変わり」)、それが生の「目的(終わり)」=「死」となる。
「死」が生物学的な「生命活動」の終了を意味するものでなく、人生の目的との関係で象徴的に捉えられているので、抽象度はかなり高い。ただ、「生」と「死」、等を「人生のあり方」の転機についての「象徴」として捉えれば、一般的な
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