あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12/もぐもぐ
釈を提出する。
「まず、レベル1。わたしたちは、胎児の時期、あるいは幼少の時期をほとんど覚えていない。その空隙は、われわれにとって非常な不安定感とそれゆえの求心的な作用(ある種のノスタルジー)を生じさせる。埋めようのない空白を埋めるものを探し、帰られるはずのない場所に帰ることを願い(普段は意識していないにせよ)、われわれは生きていく。その空白を埋めるものは結局、時間軸を想定すれば過去の一時期にマッピングされるものでありながら、人生の究極の目的地となるものである。そしておそらく、人はそれを手に入れながら、死んでいく。つまり、われわれは自らの死、自らの最後に来るはずのものを過去に持ち、まさにその地点
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)