生姜湯/Affettuoso [アフェットゥオーソ]
ちいさな背中は
いつもそこに)
母さんは
お前は
何を考えて
そこに立って
どんな顔して
背中をゆらして
なあ
教えてくれよ
どんな想いで
*
まずいな、
余った生姜湯を親父に渡したら
翌朝に一言もらして
目元がすこし腫れていて
母さんやあいつと比べるなよ、
俺がそう云うと
親父は口元を歪ませて笑ったような顔をした
実は母さんは生姜が好きだったこと
本当は父さんは生姜が嫌いだったこと
お前が本当は東京の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(18)