生姜湯/Affettuoso [アフェットゥオーソ]
 
ちいさな背中は
   いつもそこに)



母さんは
お前は

何を考えて
そこに立って

どんな顔して
背中をゆらして

なあ
教えてくれよ


どんな想いで














  *


  まずいな、

 余った生姜湯を親父に渡したら
 翌朝に一言もらして
 目元がすこし腫れていて

  母さんやあいつと比べるなよ、

 俺がそう云うと
 親父は口元を歪ませて笑ったような顔をした


  実は母さんは生姜が好きだったこと
  本当は父さんは生姜が嫌いだったこと
  お前が本当は東京の
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