Bad-s-tripper-King/影山影司
とはすっかり無くなった。もともと大通りを出歩く性質ではないので、それなりの身分を手に入れてからも裏通りを歩いている。
昔は、薬売り、売り股、トリッパー。繁盛とは言わないまでも、路地にこびりつく様に腐った人種がいたものだ。一度、受け渡しのバケツの中にトリッパーが収まっていたことがあった。食い物を漁るつもりが、カプセルを見つけたのだろう。すっかり向こうの世界にぶっ飛んでいたので、そのまま倉庫に運んで『黒ヒゲ危機一髪』を楽しんだ。薄い薄いナイフを差し込んで、何本目まで生きていただろうか。思い出すと少しだけ愉快になった。今思えば、臓器を取っておけばよかった。どうせトリップしすぎでクシャクシャになった臓
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