熱と遺産の日/水町綜助
 
まっていく。
 夏ならばいまはまだ
 白い蒸気が立ち上って
 すきなことをわめき散らす。
 ピンホールに白い点が見える
 きっと直線的に照らしてるんだぜなにか思わせぶりに。
 そこになにか意味を持たせたりすることはこんなことと同じです。
 ぼくはくだらないと言います。
 もっと体で生きているようだ。
 メシを食わなきゃいけないみたいだ。
 お茶碗をさしだす。
 お茶碗ていうのはなかなかにかわいい響きだ。
 「お」をとるとさらにかわいい。ちゃわん。ちゃわん。
 まるくていやがるけど割れたら尖って。
 生まれ育った家の庭に
 黒い土に埋まった陶器のかけらが。
 乳白色に
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