熱と遺産の日/水町綜助
 
 白いところがあるから
 めずらしいものでは
 ないんだよ


      いつか速度にあこがれる
      瞳を乾かせる風は
      ひと漕ぎひと漕ぎ
      つよくなって
      ふいにぽっかりと開けた
      町の噴水広場とかそういった場所で
      ひどい風になる
      まばたきをすれば
      そんな単純なことで
      目が見えなくなるのに
      かってに像を結んでる
      みたことのないものだ
      やけに直線的なものだ
      鉄がささくれたなら
      きっとこんなものだ
   
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