「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8/もぐもぐ
ようにある。「存在するとは別の仕方でを言表する語ることは、語られると同時に語りなおされ(se dedire)なければならない」(p31)「語ることと語りなおすことは同時に生じうるのだろうか。実を言うと、この同時性を要求すること自体、存在とは他なるものを存在に、あるいはまた存在しないことに帰すことである」(p32)
訳文が分かり難いような気がする。se dedireを辞書で引くと、「前言を取り消す、取り消す、(約束などを)守らない」という訳が挙げられており、そうすると、最初の引用文は「・・・語られると同時に取り消されなければならない」という文になる筈である。こちらの方が、「自己矛盾的」な発言として
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