「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8/もぐもぐ
 

レヴィナスはこう思っているのではないかと私は思う。
しかしレヴィナスは、敢えてこの「懐疑論」の「大胆」さを取る。

「現実なんてない」。これを「真理」として論証することほど、常軌を逸したことはないだろう。それではレヴィナスはこれを単に勝手に個人的に「断定」しているだけなのか。「あなたの勝手な意見でしょ」。単にそう切り捨てられてしまうだけの言葉を、彼は一人つぶやいているだけなのか。
果たして、レヴィナスは、「懐疑論」の立場を持ち出すことで、一体何を言おうとしているのか。


ここから少し哲学的になる。話は、「時間」と「真理」との関係のことである。

「私たちは、隔時的思考(u
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