自由意志と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる7/もぐもぐ
動であるかのようだ。・・・(責任を命じる)命令は、命令に服従する者によって、命令への服従それ自体をつうじて表明されるのだ」(p46))
なお、これが恣意的な変更であるか適切な変更であるかは、究極的にはこのテーゼを受け取る個々人の現実感覚にかかっている。
では、レヴィナスは、一体どのようにして、「自由意志」を「責任」に置き換えることが出来るのか。
とりあえず、「自由意志」の概念を突き詰めていくところから見つかるものを追っていこう。
実は「自由意志」論というのは、「真理」や「理性」を重んじる哲学の伝統においては、もともと原理的に、諸手を挙げて賛成するわけにはいかない観念であるように
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