自由意志と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる7/もぐもぐ
 
能性」と見なしたのだった。

レヴィナスは、「自由意志」を「責任(応答-可能性)」であると考える。どういうことかというと、「自由」(何かを「無視」できること、否定性)という語は、意思というものの現実を適切に描写しておらず、「責任(応答-可能性)」(何かに「応じる」こと、無視しないこと)という語で描写した方が、より正確であると考えるわけである。このような変更を行うことによって、レヴィナスは、「自由意志」論につきものの、「どうしてその倫理規範に拘束されるのか」という問いを予め免れる。
(「責任、それは主題化不能な召命に対する応答である。主題化不能なものであるがゆえに、単なる呼びかけではなく外傷で
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