言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
 
させる、そうした性質のものである。
「言いたいことがあったら、はっきり言いなさい」そういわれた私たちは、すぐさま饒舌に口を開きだすだろうか。「本当は何がいいたかったのだろう、私の思っていたことは本当に言うに値することなのだろうか」そう自問自答して、口を開くことを躊躇ってしまうこともあるのではないだろうか。「言いたいこと」は、それが本当に言う「べき」ことなのか、私たちに一瞬の躊躇いを要求するものなのである。

「『責任』逃れするな」そう他人を非難する時の私たちは、その他人が口にしようとする弁解の言葉を封じようとする。そのような弁解は口にす「べき」ではない、私たちはそう思って、その人の責め立てる
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