言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
 
「謎」、それは「責任」であるということがここに提示された。
ではこの「責任」とは一体どのようなものなのか。そしてそれは「言葉」と、一体どのような関係を持っているのか。レヴィナスはまずこう言う。
「存在の存在することを私たちの面前に翻訳する主題化ならびに観想と思考が証示しているのは、<語ること>の何らかの失墜ではない」「<語ること>という起源以前の召命のほうが、つまりは責任そのものが主題化、観想、思考を動機付けているのである。この点は後論において問題となろう」(p29)
「主題化ならびに観想と思考」というのは、要約してしまえば、上で言う「ツール」としての言葉である。「ツール」としての言葉は、「
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