祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3(2)/もぐもぐ
になるのは自分だけ」とでも言ったらよいだろうか。)
これは、Dに列挙した、競争に勝つことを必ずしも重視しないメンタリティーにおいても同じことである。そこにおける個人は、自らにとっての生や、自らの人生の受け入れ方、を最優先の問題としている。たとえ多数人が集まっていたとしても、個々人が抱いている関心は究極的には自分である。
これらの諸命題における主体はあくまで個人であって、そこには「他者」が圧倒的に欠落しているのである。
勿論、「競争」等を有利に進めるために、一時的に他者と同盟関係を結び、協力し、相互に利益を与え合う、そうした関係を形成することは、どの個人も行うに違いない。問題はその先で
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