残念な気持ちにウジが湧く/詩集ただよう
たしはたくさんの音の流れる絵本を持って家を出ました。友達はまだ眠っていました。そのとき、わたしはまた、この人は死にたいんじゃないのかな、と思いました。昨日は喜んでいたピアノが壁の方に壊れて転がっていたのです。どうしたのかと思い、わたしは悲しくなりました。
起きて、起きて、起きてください、と呼びかけると友達は苦しそうに片目を開けて、何かをほしがりました。包帯を替えてほしいようでもなさそうだったので、紙と鉛筆を持ってくると、震える手で「ばかにするな」と書きなぐりました。わたしはとても嫌な気持ちになったので、その日は絵本を置いてかえりました。汚れた包帯で臭くなった部屋のそうじだけしてくれば良かったと
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