真昼の便所/詩集ただよう
た。俺はつくづくついてないと、テレビを消した。
八年勤めた会社を辞められずにいた。内定を貰ったときの喜びと、聖人のような社長の顔をコピー用紙に込めて、掌で握り潰し、ごみ箱へ投げ捨てた。昼休みのチャイムが鳴って、そのまま一人昼食に出かけようとビルを降りた。金ならたくさんあった。離婚したせいで浮いた金がたくさん。それでいつも昼は外で食べていた。少し前までは妻の弁当を食べていたのを定食屋でいつも思い出す。夜も同じく一人で済ますが、昼は誘いを断ってまでだった。馴れ合うことをやめて昇りつめたはずの中間管理職という今の役目は実しやかに聞いていた目上の汚職を実に固めて、俺に退職を願わせた。それでも辞めら
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