夜を呼吸する/こんぺき13ごう
誰にも知られぬ快楽をひとり貪りながら
この世にある慈しみのすべてを密かに軽蔑し続けていたい
心惹かれる愛しさはあいかわらず手に入れたいと願う
この暗がりの路地からわたしの声は誰にも届かない
あなたと同じ病にわたしも罹ってしまったから
純粋さという名の前提に還るまでは
それを演じられるようになるまでは
そもそもわたしにはあなたと分かち合うすべが、何一つない
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寒い宇宙の広い空間にぽつんとある光が綺麗だった。光の点々はこの頭に纏わりついたまましんと身体を冷やしてそれでも消えずにくるくると回っている。落ちたら拾わなくち
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