ホムンクルスの大きな手/こんぺき13ごう
手を優しく包んでくれる手などありはしない
できのいい絵だけをコラージュしてコラージュして
さて、こんな世界でもし、あの人のように笑えたらどうだろう
茶番劇は第四章へ突入し、生まれた時の興奮は冷めていくばかり
―――
きみのなかで閉じたわたしが
ここでいくら新しくなっても意味なんてない
きれいな虚像がとりまいておとずれる春
首に縄をかけるような痛みをもってきみを閉じた
―――
みんな似たような顔をして歩いていく
交差点はわたしのレプリカであふれかえっていた
わたしにできることといえば、それらを見ないことくらい
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