緑色の ぐるると喉を鳴らす/水町綜助
 
いシャツを着ていた私は
やはり入道雲の橙色に
うすぼんやりと染まったところがすきで
赤い果物を握りつぶしたような匂いがした
毎日それを壁に塗ったくって
あの倉庫のような建物は
汗をかいて

これは、メンタルスケッチモディファイドではない

の中で

レリーフであり
これは掛けられることのない

映画をみていた

見とれている
指でなぞっている
まだうがてるのか
電車に揺られ考えている

彫るものは持っている

生まれた町にあり
この町にないもの

果物の匂い
その、赤い

銀輪の回る
とても
早い
停止した、反射光
あまりにも

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