緑色の ぐるると喉を鳴らす/水町綜助
 

強い光

丘の上から
望む隠された建造物
深い森の匂い

蝉の鳴く夏
あの夏
泣きじゃくる

山を走った
木々を抜けて
木漏れる光が
水滴のようで
浴びて体中
濡れた汗で
梢の音、断って
いつだって唐突に
開けた空に
扉があって
遠く
モザイク模様の町は
色とりどりの屋根で
空の色は
緑色の青

喉が渇いていて
それはいつまでも

飲みたい


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