夜の空になる/結城 森士
ると
ふいに、沙織ちゃんの横顔が
思い出された
「沙織ちゃん。」
小学校の頃だったろうか
沙織ちゃんはあたしの一番の親友だった
彼女はクラスメイトからイジメを受けていた
あたしと沙織ちゃんは
何があっても絶対に二人で助け合って
悲しいことがあっても決してくじけないって
固く約束していた
よく二人で、ひとけの少ない公園の
手入れされていない花壇に行って
二人で生めたヒマワリの種に
水をやっていた
ヒマワリは順調に育っていって
きっと夏になれば
太陽のような花を咲かせるね
そう言って二人で楽しみに待っていた
沙織ちゃんと
いろいろな話をしながら
水
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