夜の空になる/結城 森士
具体的に何の 罪 を犯したのかは
分からなかったけれど
とにかくそれは
取り返しのつかない大きな 罪 に違いない
こんなところでのんびりしている場合ではない
早く外に出て 罪 を償わなくてはいけない
だからあたしは
ジャージを身にまとって5年ぶりに真昼の外に飛び出した
あたしは俯いて街を歩いた
とぼとぼ、とぼ
きっとこんな擬音語が似合う
白線の内側を
行儀よく歩いた
真っ昼間の住宅街を歩くことなんて
ずっと長いこと、無かった
どうして誰も
あたしを外に誘い出してくれなかったのかしら
いつも家の中から見なれているはずの街並みに
奇妙な違和感と居心地の悪
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