「罰(punishment)/夢」/ソティロ
居る線路を走っていた
このままだと衝突することを全員が悟って
車内はざわめいた
皆が目を背けるなか
ぼくはどうするべきか考えていた
見るほうが、見ないほうが、どちらが正しいのかを
でも直前になって反射的に目を瞑ってしまった
ゴッ という鈍く、驚くほど大きい音を立てて列車は老人を轢いた
車内はひどく重たかった
誰一人老人に駆け寄るものはいなかった
バーが開いて、車は発進した
老人の居た場所にはなぜか穴が開いていた
驚くことに老人は依然歩いていた
その横を通ったとき
頭蓋の半分を失ってひどく醜くなった老人を
ぼくは見た
7.宴会
細長いテーブルに大
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