「罰(punishment)/夢」/ソティロ
 

何本もの線路を渡る大きな踏切で
バーが降りていて列車の通過を待った
その時車のなかはすごく楽しかったことを憶えている
そのうち一人のみすぼらしい老人が車の前に現れた
頭髪は白髪で薄く、首や手は汚れ、
深緑とも茶色ともつかないTシャツを着ていた
少し車内の雰囲気が変わった
ぼくは後ろからその老人を見ていた
老人はおもむろに線路へ進みだした
奥の方のレーンを列車が通過する
まだ老人はそこまで進んでいないのでほっとした
老人は同じペースで進む
やがて多くの列車が通過しだす
彼は前を向いたままこちらに見えるように親指をたてるしぐさをした
高らかに
三本目の列車は彼の居る
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