ちたま/山中 烏流
すぐに
忘れてしまうような
この風景も
愛していたりします
せめて
世界の終わりまでは
あなたと
泳いでいたいのでしょうか
それとも
世界が終わるときに
あなたと
手を繋いでいたい
だけ、なのでしょうか
指切りをすれば
その、一瞬あとで
全ては夢になって
もう
触れなくなるような
夢を見ています
あなたに
囁いたであろう言葉も
数秒先には
忘れてしまう世界で
息をしています
この風景が
見えなくなったときは
あなたに
溶けてしまって
一緒に
呼吸をしてもいいと
言って、ください
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)