ちたま/山中 烏流
 

ありますか
 
 
軋んで、音を誘う
このバッグの紐が
肩に
食い込まなくなったとき
 
それは
この地上から
私がいなくなったとき、と
同じような気がします
 
 
泣き声が聞こえますか、
この空気は誰の吐いた悲しみですか、
あの果ては目に見えてはいけないものですか、
その祈りは何故こんなにも、
 
寂しいのですか
 
 
地球の底で
あなたと泳いで
顔を上げたときに
全てが
終わっていたとしたら
 
それはそれで
中々に
綺麗だと思いました
 
 
でも
その裏側では
あなたのことを
何一つ知らなかったり
 

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