ある島のつづく僕/水町綜助
気持ちになって
どうしようもなくなるんだ
この太陽
島
遠くぎらぎらと反射する金箔のうみ
入り交じる潮の流れ
寮に棲むネズミ
コンクリートの壁から帰れないカメムシ
山あいにさく花
むらさきいろの
たくさんの
夜光虫と砂と星
足場の悪い坂道を
登った
煙突の上の
僕たち それは
ぼく
きみ
きみの好きなこ
きみを好きなこ
さびしいといった
崖の下をみつめるこ
まだ不安なやさしそうなおんなのこ
びゅうびゅうと風が吹く
風が吹いて
さみしいんだ
どうしようもなく
でも僕は街へかえる
君たちのことが
好きだ
とても
感謝してる
白く
島の
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