ある島のつづく僕/水町綜助
島の上を
わたる風と
雲と青さと
その下で生きる
ぼくらを
とても
いま愛している
だからもういいから
つよく
もっと強く吹けよ
心地よく裂かれていきたい
髪の毛も
しゃぼんも
ショールも
煙も
あおって、くちびるの左にこぼれた酒も
体も
巻き付けるように着た服も
この絡まったこころも
全部
菱形にひしゃげさせて
千切れ
そしてびゅうびゅうびゅうびゅうびゅうびゅう吹く
夜の丘の風をてのひらに閉じて
ひとつの秒針の震えに綴じ込め
そして
夜が
落ちて
おちて
深く
しずまっていって
ゆっくりと
また
朝が
きて
、
、
八時
十五分
坂道で
おはよう
待ち合わせて
海を抜け
そして
それぞれの横顔を見ながら
あるこう
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