御洒落童子(山田風)/山田せばすちゃん
 
んどくさそうにしていると、ついに諦めてしまったらしい。「絶交だ」と言い捨てて部室を出て行ってしまった。僕がそのとき好きだった女の子は、いいんですか?と言いたげな目付きで僕を見た。が、僕はにっこり笑って、トランプのカードを鮮やかにシャッフルしながら言った。
「あんなもん、多少書き直したって構うもんか。煙草を喫うとかどうとかなんて皮相なところではなくって、もっと、奥深いところに、高校生活の欺瞞を撃つ、と言うテーマが仕組まれているんだから。」
そう言って、今度は笑わないで彼女の顔をじっと見つめた。もちろん、その台詞は大嘘の口からでまかせで、単に彼女の前でカッコいいことを言ってみたかっただけだ
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