御洒落童子(山田風)/山田せばすちゃん
悲しませたりしてきたのだ、と思い込もうとしたのだが、それは明確に嘘だった。詩を書くために女の子たちとつき合ってきたのではなく、今、詩を書くとしたら、それぐらいしか書くことがなかったというのが、どうやら正解といったところだったのだろう。
僕が最初に詩を書いたのは、最初の恋愛よりもかなり後のことだった。高校の文芸誌に載ったその詩は、僕とおぼしき高校生の主人公がひっきりなしに煙草を喫っているのがいかにもまずいと、生徒指導の教師から煙草に関する部分の削除を命じられた。同じ文芸部の男の子の一人が「これは検閲だ、職員室に抗議に行こう!」と、一学年下の女の子たちとトランプに興じる僕にアジったときも、ト
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