どうしようもない春がくるからピンク/水町綜助
 
るように流れる雲の
不安になるような
はやさを


なんですかヤブからボウに
さいきんそんな言葉を気に入って使ってる
藪から棒だよ
とつぜん物騒だ
叩かれてしまうんだ
それとも一本の
ジャッキーカルパスみたいな棒が
にょきっととびでて
それで終わり
それでもいいんだろうさ
たしかにヤブからボウだ
それをベンチから眺めて
たばこでもふかしてたいよ
ぷかりとひとつ
そんな生活が好みのひとつだよ

僕の友達は酒に酔って
身投げ寸前のどん兵衛のカップに説教していた
橋の欄干に置かれた
すっかり平らげられた
めくれあがった蓋から割り箸を飛び出させたどん兵衛の
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