風潮と予定調和(ニュースを見ていて思うことなど)/塩水和音
」の秩序と、予定調和的世界が保たれる。そこでは、たとえば、親の事など心の底からどうでもいいと思っている人なんかは存在しないという事になっていたりする。
これらは別に俺個人の妄想という訳でもなければ机上の空論というわけでもないはずです。テレビの事故被害者遺族インタビューに、たとえば「認知症の父親が死んでしまい、少し悲しいけれども、どちらかと言えばホッとした」というふうな「複雑な心境」をした人間が存在しないのは、こうした風潮が人々の間にあって「当たり前」な事として生きられており、ある程度の圧力を発揮していることを物語っているのではないでしょうか。
このような風潮が存在する事が、人々を律し、また
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