風潮と予定調和(ニュースを見ていて思うことなど)/塩水和音
 
また人々の欲求を解消し、社会の表層的な安定を保つ事に一役買っていると思うのですが、一方で、適応出来ない者の反発を煽ってしまう側面もあります。
たとえば、親に感謝すべき理由などないと気づいてしまい、かつ親に反感を抱いている少年などは、風潮によって孤立させられたように感じ、教師やマスコミといった社会の表層に広く反感を持つようになっていったりするのではないでしょうか。
「人間は平等だ」という風潮に、現実の生まれ持った貧富や能力の差から反発を覚える人はきっと少なくない。それでもなお、「人間は平等だ」……と言われ続ければ、やがてその人らの一部は、理想と現実の乖離に苦しんだり、ふと、平等というタテマエの下
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