純粋正義への架橋4/チャオ
 
も言う権利もありませんが、ただ願わくば愛する日本を偉大たらしめんことを、国民の方々におねがいするのみです」

 これは、「きけわだつみのうた」からの引用。
神風特攻隊として、飛行機に乗ることを命ぜられた若者が、日本の犯した罪、間違いを受け入れながら、なお、戦いへ向かうことでしか、日本国民の偉大さを語ることはできないでいる。彼は、その命を懸けることによって、間違えた日本の、完璧な敗北を勝ち得ようとしたのだ。彼は、未来の日本人たちに、偉大な日本を築き上げてくれることを願うために、間違った社会的束縛の中に個人的理性を持ちえたのだ。彼のひとつの命を見、そして日本万歳と叫ぶ当時の日本人の苦しみを見て、
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