90’s/水町綜助
真面目でもなく頭も良くないぼくたちがくるくるくるくると旋回しては
校舎の窓から放られた紙飛行機くらいにはできすぎに
おちて
車輪はそう
とまることもできた
東の町
象徴としていたのは白染めの丘と鉄塔群
電線は密でなく
太陽光線をかざなりに切り落としては
そしらぬかおで
ひょうひょうと
ぼくたちを
夜いろにそめあげる
赤々と
(夕日)
赤々と燃やしきったあとで
夜に
銀色の鉄塔が川沿いに連なって
電気の光を鈴のように灯して
ガラスのように光る
終わってゆく町の
いつか時間が息を引き取るときがあるなら
きっとこんなかたちに
結晶していくんじゃないかと思
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