風邪の日のスカイフィッシュ/
 
ゆく君は
悲しい色してるね


さっき かかってきた電話
天気予報は 晴れのちくもり
くり返されるラジオDJの笑い声
ひるがえる洗濯物の
はるか上空を
何も言わずにスカイフィッシュが
飛んでゆく







  【風邪の日々】


 冷たい空気がぼくの顔を刺す。吐いた息がただよう部屋。明るい光が顔に差しこみ、しばらくぼんやりとしていたぼくは、いつもの時間帯に目を覚ましたことに気がついた。しかし、頭が痛い。
 枕元にあった体温計を取り、脇にはさむ。すると頭上でママの声がした。「あら、もう起きていたのね。」ぼくの顔色を見て、計り終わった体温計を見つめると
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