「スウプ」と「ちくわぶ」/渦巻二三五
、押さえているのにウンム、ウンムって砂煙が舞い上がって、傷口が見えません。前が見えません。今も見えません。}
(2003.5.24)
どちらの詩にも、抗うことのできない暴力に遭う場面が描かれていて、その場面の話者は目の前のことを見ていない、ということが書かれています。
あまりにも酷いその惨状というべきものを、「見ない」「見えない」…。あってはならないことであり、目にしたくはないもの。
『Is it good or not?』の話者は、見ないようにしたのだと言います。そして「本当なら指の動きや心の動きを、きちんと理解して享受しなくてはいけない」と念を押して、見なかったのは自分だったと
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