この世界を離れて ★/atsuchan69
「まぁ、ゆっくり食え。そいつはうまいか?」
「まずいけど、のこさんへん。ぜんぶ食うたるで」
「それはよかった。ところで食いながら聞け、けんかは感情によっておこなうものではない。楽譜がよめて楽器を演奏する能力のある人間と、ただあばれるだけの男とでは人間としてどちらが高等か言わなくてもわかるはずだ。低脳な人間をおそれる必要はまったくない。害がなければ利用し、害があるなら退治するまでだ。この場合、手段はえらばなくてもよい。猛獣にたいして人はときとして武器をつかうだろ。それとおなじだ」
「うん。わかった」
僕はうなずき言った。
すると急に父ちゃんが椅子からひっくりかえった。
たおれた椅子
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