grape/水町綜助
いても
毛色はそりゃあ違う
めをみはる
吐息の交錯
そんな朝の風景がよぎり
すぎる中で
やはり人波は隙っ歯に散らばって
おそろしいほどに
様々のことを
思っている
ゆるやかな
どうしようもなさの
(たとえば飼い猫をみうしなったような)
かなしみを
瞳にのせて
行き交う人波をみても
すかされて
散らばっていくだけ
こんな駅のホームなら
お誂え向きに
終着の片側なら
右から左へ
東から西へ
吹き流れるだけ
それぞれの幸せの埋蔵へ
(たぶんそれは)
(家族だとおもうんだ)
(いまの俺は)
向かうなかに
溶け
見捨てられていく
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