架空少女事典/nm6
たばかりの少女は、相談ごとに自らをたたみかけてくる少女でした。
[た]
体育座りの少女は、駐車場の真ん中で不意に思い出した少女で、つぶれた卵のようにやるせなく流れ出すもそれが思わずスローで見とれる少女だったので、手をつないだ少女は、飛べるのではないかと錯覚する少女でした。
[な]
泣いたことのない少女は、乳液のように白く吸い込まれそうな少女で、塗るものと守られるものとの境目に流れる放物線上に投げ出された少女と、寝転がって騙しあう少女との間の、乗り過ごした船のような少女でした。
[は]
裸足の少女は、低い椅子の背もたれに寄り掛かった少女の、不意に響いたことばを真に
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