いくつかの心象/結城 森士
若い自分が眩しい日差しの中で飛び回っていた
皆笑顔ではしゃぎ回っていた
僕達が全てを変えていけると信じていた
いつものコースを一周して
広場の時計の下で止まった
時間はあってないようなもの
そう気づいたから時計を見る必要は無かった
広場の片隅に膝を抱えてうずくまっている少年
それは既に影ではなく、中学生の頃の自分の姿
惨めで暗い頼りない姿、
けれど僕はそれを自分の姿だと理解した
僕達は今のこの瞬間だけを知っている
だけどそれは全て過去の思い出となり
いつか消えていってしまう
だから僕達は消されていく
暗い過去も美しい感情も皆
だけど
辺りが暗くなってし
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